新登録審査会 2025年10月28日(火) 以下の5本の新登録が決定しました。
杏花の舞(きょうかのまい)
薄葉系統
【作出年代】平成27年(2015年)
【作 出 者】岡田 忠行
【命 名 者】若林 真一
【登 録 者】岡田 忠行(長野県) 若林 真一(長野県) 近藤 敏仁(東 京) 佐藤 彰絋(東 京) 田中 悠介(長野県)
【来 歴】交配「M車」×「矢沢獅子」。 2017年9月、信州おもと実生研究会の品評会にて特別賞に選ばれ た生え3才獅子実生を、田哲園で買い出し育成。 2019年秋、獅子一筋30年の若林氏が「二面竜が出る本格的な獅 子は珍しい」と魅力を感じ、初子を棚入れし、作出者の地元で有名 な杏の里に因み「杏花の舞」と命名。 2023年秋、岡田氏の最初の登録品になり得ると確信、賛同され た2名の名作者に棚割りされた。今年の芋吹き2本を含め、総数は7本
【特 徴】淡い紺性と黄縞、黄色みを帯びた深覆輪により全体が黄緑色の 色合いとなる。地合いに固さはないが光沢がある。 角巻きになり、葉先は鋭く、葉幅は広い。薄葉獅子の中では比較 的小型の部類に入る。葉芸の構成は甲竜、二面竜にビリを打ち、全体に竜がけの低い 雅糸竜を現す。生え3才の時点で覆輪がほとんど完成していたこともあり、現状で は1本縞の個体を除いて、6本が縞覆輪である。
月光丸(げっこうまる)
薄葉系統
【作出年代】昭和50年代前後
【作 出 者】水野 雅章
【命 名 者】水野 豊隆
【登 録 者】水野 豊隆(三 河)
【来 歴】「太陽」と同じく、最初に実親として見出された。作出年代は明確ではない が、獅子・羅紗獅子系統の実親としての優れた成果とともに、葉芸にも風格 が現れ、覆輪も回り始めた。令和4年(2022)発行の『おもとを楽しむ』で紹 介され、翌年以降も注目を集める。2024年・2025年と連続してNHK『趣味の園芸』にて縞木・覆輪木が紹介され、横浜フラワー&ガーデンフェスティバル 2025でも一般来場者から高い人気を博し、正式登録の運びとなった。古典の 血統を受け継ぎつつも、現代の感性にも響く、新時代の獅子である。
【特 徴】中~大型の獅子系統で、成木になると総雅糸竜が昇り、黄金色の輝きを放 つ。その緻密で力強い芸は圧倒的で、葉質は厚く、巻き上がる姿はまさに龍 神を思わせる。若木時代と成木時代では印象が大きく変わり、総雅糸竜が出 てくると荒波のようなキリキリとした巻きが際立つ。他の獅子に比べて葉持 ちがよく、作り込みやすいことから、豊明園では♂♀両方つかえる羅紗獅 子、獅子の交配親としても多用されている。花や赤い実がつくと圧巻の美し さ。性質は極めて丈夫で、日光にも強く、肥料もやや多めでよい。青葉・ 縞・覆輪・縞覆輪と多彩な表情を見せるが、なかでも縞覆輪は数少なく、華 やかさと品格を併せ持ち最高人気を誇る。古典の風格と現代的な美を兼ね備 え、若い愛好家からも支持を集める“次世代の獅子”である。
昇龍の舞(しょうりゅうのまい)
薄葉系統
【作出年代】平成初期
【作 出 者】不詳
【命 名 者】酒井 宏幸
【登 録 者】万年青愛好会「和楽」(水郷) 酒井 宏幸(水郷)
【来 歴】千葉県で作出された物を令和3年頃、春光園主が購入し増 殖した。同年に縞覆輪が完成し、現在は縞覆輪3本、縞が35本程度。
【特 徴】葉幅3センチ、葉長13センチ内外で獅子系の中では中型種。縞甲獅子らしく、肉厚の葉に甲竜を主体に低いガシ竜を現す。特筆すべきは巻き込みの良さで、角巻に巻き込み、龍が舞い上がるような容姿は「昇龍の舞」の命名に繋がる。性質は強健で、繁殖が良いので初心者の方をはじめ幅広い趣味者に楽しんでいただける品種です。
天煌(てんこう)
羅紗系統
【作出年代】平成10年頃
【作 出 者】福原 常光
【命 名 者】佐藤 彰絋
【登 録 者】佐藤 彰絋(東京) 藤倉 正巳(東京) 袖山 光雄(長野県) 田中 悠介(長野県)
【来 歴】交配T×VA。旧「福原実生」 関東実生会当歳の部大宝系において特別最優等を受賞。 三光園榊原八朗氏の斡旋で命名者が入手。4作後に事情に より長野県の名作者である袖山光雄氏に1年間培養を委 託。本芸の片りんを現して秋の長野県の万年青大会に出品 され好き者の注目をあびる。作者は鋭意培養に努めて孫木 に覆輪が廻る
【特 徴】大宝系らしく紺性はやや淡い。腰折れの良い丸止めの 熨斗雅糸が主体。稀に玉竜や跳ね竜も現れる。 覆輪の個体は雪白の大覆輪で糊を引き、止め葉の総雅糸 竜が油絵の筆を重ねたようで、出色。 令和7年の萬風展において、覆輪の木がBEST OF 萬風 賞を受賞。
王童(おうどう)
羅紗系
【作出年代】2000年頃
【作 出 者】小野田 敏男
【命 名 者】六鹿 昭
【登 録 者】大井川 清(東 京) 森實 俊彦(香川県)
【来 歴】「カキガラ錦福♀」に「丸小♂」の交配 若木の頃より伝説の羅紗千代田「栄松」と並び注目されて いたが、長年の間増殖せず一時は絶種も危ぶまれいたとこ ろ、奇しくも作出者と同郷の清水文夫氏により増殖に成功し 現在に至る。
【特 徴】小型種。濃紺の艶消しの地合いで葉肉厚く、首元が太く特 に安定感が有ります。雪白の大覆輪をかけ、地色対比が見 所で、低い甲竜・熨斗葉・三角葉に表す雅糸竜は雪白になり ます。腰が低く葉先は優しく折り下げる姿は、愛くるしい魅力 があります。 また令和7年、大井川氏による萬風賞受賞作品の小さく凝 縮された姿は、本種の更なる魅力を引き出すものとなり、今 回、満を持しての登録申請となりました。
(画像をクリックすると拡大表示します)
(画像をクリックすると拡大表示します)
令和3年度
新登録審査会 令和2年10月29日(木) 両国パールホテルにて
以下の3本が新登録されました。
天壇(てんだん)
系 統 羅紗系
作出年代 昭和49年
作出地 愛知県
作出者 杉浦 秀男
命名者 古田 勲
登録者 小川 健一(長野県支部)
田中 悠介(長野県支部)
本 数 本数縞物は、派手なものを含めて20本前後、上柄は5本、青葉を含めると総数40本前後である。
来 歴 昭和49年に、愛知県の杉浦氏が作出。昭和56年に、古田氏が命名。天壇の縞は、昭和の終わり頃、楼蘭、壽冠と並び称されたが、名だたる大棚で枯死。絶種と思われたが、千葉県の棚で長い年月をかけて増やすことができ、ようやく表舞台へ帰ってきた。
品種の特徴 羅紗系。当才の頃から雅糸竜を現し、その葉芸は単調ではなくビリも打つ。彫刻のように深い芸である。葉姿は、葉幅が広く繰り出しながらも乱れず、葉肉があるが葉の縁はスッキリとし、襟組みが美しい。基本は葉幅のある平葉で、熨斗葉、本剣を挟み調和する。雅糸竜の中に玉竜を現し、芸が進むにつれて地肌に照りが出てくる。
叡聖の舞(えいせいのまい)
系 統 薄葉系
作出年代 平成15年頃
作出地 長野県
作出者 中西 満
命名者 笠原 威三
登録者 若林 真一(長野県支部)
近藤 敏仁(東京支部)
米谷 耕司(香川県支部)
田中 栄二(長野県支部)
本 数 13本
来 歴 平成15年頃、中西満氏が作出。共有品として長野県の名作者、笠原威三氏が培養していた。
平成24年の第67回日本おもと名品展で参考品として展示。第13回萬遊会で展示。
特徴ある品種なので多くの人に愛される品種になることを期待して、培養者達で登録する運びとなった。
品種の特徴 薄葉系の獅子おもとである。
葉幅は広く、第一の特徴となるのはその覆輪の深さである。
淡い紺性の地肌と雪白色の覆輪から全体の色合いは他の万年青にない特徴があると言える。新芽を繰り出す時には全体が黄緑がかって葉を展開する。
葉芸は竜がけの高い甲竜を主体とし、竜にビリを打つ。
獅子系としては最も気になる点である巻き込みの具合は、丸巻きであるが巻き込みも見せ、巻が緩むことは少なく、全体の葉姿は引き締まる。
(画像をクリックすると拡大表示します)
雷晃(らいこう)
系 統 薄葉系
作出年代 平成10年頃
作出地 長野県
作出者 松井 久
命名者 田中 悠介
登録者 茂木二三夫(長野県支部)
窪田 光男(長野県支部)
中島 由美(長野県支部)
田中 悠介(長野県支部)
本 数 30本
来 歴 平成10年頃、長野県の実生家、松井久氏によって作出。千代田系の実親で千代田羅紗の作出を狙っていた頃に、矢筈虎の遺伝子が入り、副産物として生えたと思われる。
順調に増殖したので、一般への普及のために登録申請することになった。
品種の特徴 薄葉系、縞甲に属する万年青である。
サイズは従来の縞甲に比べて小型。親木でも3.3~3.5号に納まる。
葉姿は立ち葉性、葉先は尖り葉元にかけて幅が広くなり2~2.5cm。基本の葉芸は矢筈虎斑と総雅糸竜であるが、芸が進むにつれて無数の玉竜を現す。“玉雅糸”と呼べるほどの特徴である。性質は強健で、子上げも良い。
(画像をクリックすると拡大表示します)
令和2年度
新登録審査会 令和元年11月7日 両国パールホテルにて
以下の4本が新登録されました。
伊都(いと)
系 統 羅紗
作出年代 平成10年頃
作出地 大分県中津市
作出者 庄 和子
命名者 土井 滋
登録者 土井 滋(中津支部) 庄 弘美(中津支部)
来 歴 大分県中津市の庄和子氏が作出・増殖していたものを土井氏が買い受け、登録に至る。古代史に出てくる「伊都国」から取って命名。インスタ映え写真が撮れる聖地として今静かなブームになっている「糸島市」が「伊都国」に当たるようです。
品種の特徴 葉長5cm、幅2.5㎝前後の小型種。腰折れ、襟組ともに良く、葉先にかけて丸みを帯びて止まる。雅糸竜を現し、深い覆輪をかけると、ひときわ美しさを現す。
富貴丸(ふうきまる)
系 統 羅紗獅子
作出年代 平成15年頃
作出地 香川県
作出者 不明
命名者 田中栄二
登録者 西口益久(水郷支部) 犬飼康祐(関西支部)
森實俊彦(香川県支部)重松邦彦(東海支部)
酒井光康(水郷支部) 田中悠介(長野県支部)
米谷耕司(香川県支部)
来 歴 香川県高松市にて生える。当才実生2本を押花園 重松氏が入手し、東海支部 三宅一郎氏に売却。三宅氏宅にて良柄の1本は枯死する。三宅氏亡き後、名作者 鷹見尚彦氏に培養を依頼。平成19年頃に覆輪が完成。5本に増殖後、田哲園 田中、春光園 酒井両氏に棚割りされる。その後、全国大会奨励賞、萬風賞を受賞する。
品種の特徴 葉幅広く、ゆったりと巻き、愛嬌良く万人に好まれる木姿となる。芸も雅糸竜を現し、風格と気品を備えた姿になる。
浅間富士(せんげんふじ)
系 統 大葉
作出年代 平成元年8月
作出地 千葉県柏市
作出者 土屋富男
命名者 土屋富男
登録者 土屋富男(坂東支部)
来 歴 千葉県柏市の知人から頂戴したものを30年培養し続け、現在にいたる。
品種の特徴 葉長40cm内外の大葉種。中立葉で葉幅8cm内外になる。葉の柄が最大の特徴であり、いわゆる白斑が美しく前面に現れる。紺覆輪に近いもの及び白覆輪の気質もあり、今後の変化に期待が大きい。強肩で繁殖力も旺盛で一般愛好家にも楽しめる品種である。
森羅(しんら)
系 統 羅紗
作出年代 昭和62年
作出地 岡山県
作出者 小野田敏男
命名者 故鈴木喜三郎
登録者 森本孝博(徳島県支部) 北崎 隆(関西支部)
来 歴 平成3年3歳生ぶのとき、桶庄園芸 鈴木氏が登録者の森本氏へ持ち込む。森本氏の棚にて平成5年に覆輪が完成する。平成12年、5本に増殖され、棚割りされる。平成19年、第7回萬風展において「萬風賞」を受賞し、注目を集める。
品種の特徴 やや丸味を持つ平葉に彫りの深い雅糸竜を現し、直線的に伸びる三角葉によって魅力的な容姿となる。
令和元年度
平成30年度
平成29年度